三黄瀉心湯の効果は?どの状態の便秘に効く?

三黄瀉心湯「さんおうしゃしんとう」は、健康状態が良好で体力に満ち溢れた方に対して処方される便秘漢方薬です。
高血圧気味で身体に熱がこもりやすく、火照りやのぼせ等の自覚症状が有り、俗に言う「赤ら顔」の方に効果的です。
便秘だけでは無く、高血圧が原因で起きやすい慢性的な肩こりや平衡感覚の乱れ、頭が重く感じたり、精神的に不安定になった場合にも三黄瀉心湯は処方され、更年期障害や不眠気味、耳鳴りや鼻血等で悩まれている方にも処方される事が有ります。
ですが、殆どの場合は、便秘と高血圧で悩まれている方で、同時に上記の不調や「痔(じ)」が出てしまった場合に処方される事が大半だと思います。
三黄瀉心湯の成分
「大黄(だいおう)」「黄芩(おうごん)」「黄連(おうれん)」と言う非常にシンプルな配合になっています。
大黄の効果について
「タデ科植物」の根を使用しています。
漢方だけでは無く、病院で処方して頂ける薬にも高い頻度で利用される成分で強制的に排便を促す効果の他に、血液循環を良くする効果も期待出来るとされています。
他には、炎症を沈めたり、血を止める効果が有ると言われています。
黄芩の効果について
シソ科植物の「黄金花(こがねばな)」の周りの皮を除去した根を使用しています。
アレルギー反応や炎症を沈めたり、過剰に生成された場合の胃液の分泌を抑えたり、胆汁の分泌量を増やす効果が有ります。
下痢や腹部の痛み、体内にこもってしまった熱を散らす効果も期待出来ます。
黄連の効果について
「キンポウゲ科オウレン属」のオウレンの根を使用しています。
炎症を抑える効果が有り、出血を止める効果や精神的な不調を改善する働きが有ります。
嘔吐感や嘔吐、下痢だけでは無く、口内炎や胃や腸が荒れてしまった場合にも効果的です。
三黄瀉心湯に適していない方
健康状態が良好な「実証」の方に処方される漢方便秘薬ですので、普段の状態で体力に自信が無い方や、疲れ気味の方、胃や腸の機能が低下してしまっている方には適していません。
もちろん、大黄が含まれていますので、妊娠中や授乳中、痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)には適していません。
三黄瀉心湯に限らず、漢方薬や薬はその人の状態に最も適した物を専門の方が処方するのが一般的ですので、独断で購入し、服用する事は無いようにして下さい。
漢方便秘薬の場合は、効き過ぎて一過性の下痢を起こす程度ならまだ良いですが、耐えられない腹痛や嘔吐感、嘔吐等のトラブルが起きやすいので注意が必要です。
もし宜しければ、「大建中湯はどのような体質の便秘に効く?」の記事も参考にして頂けると幸いです。
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