おならがよく出る時に注意したい事と隠れた病気の怖さ

おならがよく出る事は、誰でも起こる事ですが、あまりにも回数が多い場合や、異臭とも言える位強い臭いを発している場合は、病気の可能性も有ります。
ですが、原因の殆どは、食事内容、生活習慣、癖、ストレスによる物で、日頃から少し意識するだけで簡単に改善出来ます。
特に、女性は、おならがよく出る事自体に強いストレスや抵抗を感じていると言う方も多く、最近では、男性でもエチケットが求められる時代になりました。
我慢すると状況が悪化する場合も有りますし、何よりもお腹が張って苦しくなります。
改善出来る所は改善し、病気や日常生活の不安等を出来るだけ減らして行くのが1番良いのですが、「具体的に何を警戒して、何をするべきなの?」と思うのが正直な感想だと思います。
それに、一体何回位出れば異常なのか?どんな臭いの場合は病気なのか?については、判断規準が分からないのが普通だと思います。
当記事では、「おならがよく出る状況」の原因や病気等について説明させて頂いていますので、少しでも、参考にして頂く事が出来れば幸いです。
目次
おならは、何から構成されている?
本当に綺麗なハリウッドスターやスーパーモデルであったとしても、おならが出ないと言う事は有りません。
単純に、「おなら」は、必要だから存在しているからです。
呼吸や心臓が動いているのと同じレベルの話と言う事ですので、腸や腸内細菌が活動している限り、生成され続けています。
「最近、おならがよく出る・・・」事で悩んでいたとしても、毎日10〜20回程度であれば、健康的な範囲内です。
もちろん、1日に数回程度しか出ない日も有りますし、30回以上出る場合が有ったとしても、正常範囲内です。
1日10回と言う事は、単純計算すると、2時間に1度位で、30回で1時間に1〜2回位です。
ですが、腸の運動は、リラックス中や睡眠中に活発化されてしまいますので、数える事自体が難しいと思いますし、他の事を数えていた方が有意義です。
話しは戻り、この「おなら」が上手く動いてくれる事によって、腸の「蠕動運動」は刺激されて「便意」を強く感じる事が出来るようになります。
「蠕動運動」だけでも便を肛門付近まで押しやる事は可能だと言われていますが、やはり、腸内ガスの押し出す力の方が強いです。
一般的に「おなら」と呼ばれているガスの約90パーセントは、呼吸時に口や鼻等から取り込まれた空気等、残りが腸内細菌が生成するガス等です。
おなら全体の内、腸内環境が生成するガスは、たった10パーセント前後しか含まれていませんが、おならが臭いと感じさせる原因は、この中に存在しています。
また、「臭い」と感じさせる一部の腸内細菌が生成するガスは、人体にとって有毒な成分です。
長期間腸内に蓄積していたり、常に異常に多い量が生成されている状況が続いてしまった場合、腸管から吸収されて血液中に溶け込んでしまいます。
便秘の悪化、肌荒れ、精神的な不調、免疫機能の異常、だけでは無く、病気の原因になってしまう可能性も有ります。
おならの臭いは何が原因?
飲食物が大腸に近い部分の小腸の一部と大腸に生息している腸内細菌の栄養になり、分解される時に生成されるガスが、臭いの原因になる事が多いです。
他には、「腸内の悪玉菌の栄養となる特定の飲食物」「胃腸等の機能が低下」「消化器系の病気」が臭いの原因になる場合も有ります。
基本的におならが臭い原因は、腸内の悪玉菌が増えてしまう事です。
乳酸菌やビフィズス菌等で構成された発酵食品や食物繊維が豊富な野菜や海藻等を多量に摂取した時、一時的におならの回数や量が増える事が有ると思いますが、臭いの原因になる事は少ないです。
理由は簡単で、腸内の善玉菌が生成するガスは、「水素ガス」「メタンガス」「二酸化炭素」等ですので、臭いと感じる事は無く、無臭です。
一方で、腸内の悪玉菌が生成するガスは、嫌な発酵臭、腐敗化が進んだ卵のような臭い、生臭さ、糞臭がする事が特徴です。
●「酪酸」
腐敗したバターのような臭いを発する
●「硫化水素」
腐敗した卵や硫黄温泉のような臭いを発する
●「二酸化硫黄」「二硫化炭素」
傷んだ肉のような臭いを発する
●「アンモニア」
尿臭さの原因
●「ホスフィン」
腐敗した魚や生臭さのような臭いを発する
●「インドール」「スカドール」
便臭の原因
等が直接的な原因物質と言われています。
また、「ストレス・不安・緊張が続く事によって、自律神経が乱れる」「冷えや加齢、腹筋の低下、睡眠不足等によって、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下する」等も、腸の機能が低下してしまう原因になってしまいがちです。
腸の機能が低下してしまった場合、便が上手く排出出来なくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
肛門付近の便の水分が、腸管に吸収されて硬くなり、コロコロと硬い便しか出ないような頑固な便秘になる場合も有ります。
頑固な便秘が続いてしまった場合、時間の経過と共に腸内の悪玉菌が増えて行く一方です。
おならがよく出る状況が続きますし、時間の経過と共に悪臭は強くなってしまいます。
腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌の他に「日和見菌(ひよりみきん)」が存在し、善玉菌が15パーセント、悪玉菌が10パーセント、日和見菌が75パーセントの比率で存在します。
「日和見」と言う名前通り、常にどちらかに属すると言う訳ではありません。
善玉菌と悪玉菌の内、優勢になっている方に味方する性質が有りますので、腸内の悪玉菌が増えれば増える程、腸内環境は悪化していきます。
おならがよく出る事よりも、臭いと感じるようになって来た場合は、注意が必要です。
よく出る事自体には、異常が無い場合が大半ですが、1日20回〜30回を軽く越して来るようになると、ストレス・不安・緊張等によって自律神経が乱れてしまっている可能性が有ります。
ストレスでおならがよく出る?
腸は、周辺の筋肉を上手く動かしながら便を肛門付近まで運ぶ「蠕動運動」と言う機能が備わっていて、自律神経と繋がっています。
自律神経には、「ストレスを感じたり、運動している時に活性化する交感神経」と、「リラックスしている時、睡眠中に活性化する副交感神経」の2種類が存在し、両方が常に上手くバランスを取り合っています。
「蠕動運動」は、交感神経が優位の時に不活性化し、副交感神経が優位の時に活性化します。
ストレスや不安、緊張等が続いてしまった場合、交感神経が優位になりますので、腸が上手く動かなくなってしまいます。
結果的に腸内の悪玉菌が増え、便秘になる事が多く、おならがよく出る原因になってしまいがちです。
おならがよく出るのは病気?
ストレス・不安・緊張によって自律神経が乱れてしまい「過敏性腸症候群」や「空気嚥下症(くうきえんげしょう)」を発症してしまっている可能性が有ります。
他には、「クローン病」「胃腸炎」「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」「大腸がん」等の病気を発症してしまっている可能性も有ります。
また、病気では有りませんが、冷えやストレス、偏った食事や睡眠不足、慢性疲労等が原因で、胃腸等の消化器系の機能が低下したり、荒れてしまう可能性も有ります。
この時、飲食物の消化能力が低下してしまったり、健康的な状態よりも多くのガスが分泌されてしまう場合が有ります。
消化に良い食事や睡眠等で胃腸を十分に休めてあげる事によって、機能を修復させてあげる必要があります。
「過敏性腸症候群」とおなら
主に自律神経と分泌異常、免疫異常等が関係していると言われている病気です。
「ガス型」「便秘型」「下痢型」「混合型(分類不能型)」等が存在します。
原因が完全に解明されている病気では有りませんが、ストレスや不安、緊張を感じた時に排便異常や、明らかに異常だと分かる位おならがよく出る等の症状が出ます。
元々、神経質な方が発症し易い病気だと言われています。
精神的・症状的にも重症化しやすく、「対人恐怖症」等に繋がる場合も有ります。
便秘解消情報局スタッフも過敏性腸症候群を発症した事が有りますが、精神的な要因が大きいと言われている病気です。
「空気嚥下症」とおなら
「呑気症(どんきしょう)」と呼ばる場合も有ります。
「過敏性腸症候群」と同じように、精神的な要因が大きいと言われています。
病気と言うよりは、「癖」だと言われ、飲食時以外に空気を「嚥下(えんげ)」してしまう癖が出来てしまう事が原因として多いです。
現時点で、完全に解明されている訳では有りません。
「嚥下」は、空気を取り込む呼吸とは違い、空気を飲み下すようなニュアンスです。
ストレスや不安、緊張等を感じた時、精神的に不安定になっている時、おならがよく出るだけでは無く、「げっぷ」がよく出る事も特徴です。
お腹が張って苦しい状態が続きやすく、自律神経の乱れが原因で体調不良、便秘や下痢等の排便異常が起こりやすいです。
「クローン病」とおなら
元々、日本人の腸は、欧米諸国の方と比較した場合、「長い」と言う特徴が有ります。
長い年月と順応性によって今の日本人が有ると言われていますが、ここ数十年程度で急激に食の欧米化が進みました。
それに伴い、「クローン病」で悩む方が増加しているとも言われています。
原因の大半は、近年の食の欧米化、つまり、ファーストフード等のジャンクフード、肉中心の食事等に含まれている特定の物質等に対し、腸管内に免疫異常が起きてしまう事だと言われています。
腸管内に炎症が起きる事が有りますので、おならがよく出るだけでは無く、発熱や腹痛、下痢や下血等の症状が出てしまう場合も有ります。
「胃腸炎」とおなら
ウイルス性や細菌性で起こる場合が多く、急性と慢性が有ります。
●「黄色ブドウ球菌」
傷や血で増殖する
●「ボツリヌス菌」
缶詰や真空パック食品に多い
●「腸炎ビブリオ」
真水処理していない魚介類に多い
●「サルモネラ菌」
主に鶏肉、鶏卵に多い
●「カンピロバクター」
牛、豚、鶏等、肉類全般に多い
●「大腸菌」
感染者の嘔吐物と便に多い
●「リステリア菌」
加工肉や乳製品に多い
●「ウェルシュ菌」
集団調理やお惣菜等に多い
●「セレウス菌」
土中細菌の一種で、感染した食品に多い
●「エルシニア菌」
元は海水中ですが、どこにも存在し、感染した食品に多い
●「ノロウイルス」
感染者の嘔吐物と便に多い
●「ロタウィルス」
乳幼児が感染する事が多い
●「A・E型肝炎ウイルス」
野生肉から感染する事が多い
食中毒や自然毒が一般的ですが、おならがよく出る事の他に、発熱や腹部痛、嘔吐感や嘔吐、倦怠感や下痢等が報告されています。
もし、並行して、嘔吐感や嘔吐、下痢が起きてしまっている場合、「酔い止め薬」「下痢止め薬」等の使用は控えて下さい。
身体は菌やウイルスを排出する為に、嘔吐や下痢を起こしていますので、薬で止めてしまった場合、体内で増殖したままになり、重症化してしまう危険性が有ります。
また、「電解質異常」「脱水症状」を起こし易い状況ですので、水分摂取か、「ポカリスエット」「OS-1」のように、専用の飲料を摂取するのが理想です。
「胃潰瘍」とおなら
通常でしたら、飲食物の消化や殺菌等を行う胃酸が胃を分解しようとしてしまう病気です。
胃酸のpHは、1〜2の比較的強い酸性です。
比較的、胃酸の分泌量が少なく、濃度が濃くなってしまいがちな方に発症しやすいと言われています。
「胃が荒れる」事や「びらん」との違いは、胃の粘膜の損傷具合等に違いが有ります。
「胃が荒れる」「びらん」は、同じように胃酸が粘膜を分解しようとしている状態ですが、表面的な損傷しか無く、医師から処方されている薬を服用したり、数日間安静すれば修復出来る場合が多いと言われています。
一方、「胃潰瘍」は、粘膜の胃酸による分解度合いが大きく、明らかに「溶けてえぐれている」ような状態です。
医師と一緒に経過を観察しながら治療する必要が有ります。
元のような状態に修復出来るようになる迄に少なくても数ヶ月以上は必要になる場合が多いです。
おならがよく出るだけでは無く、食後に上腹部痛が表れてしまう事が有ります。
状況によっては、吐血・下血が生じる場合も有ります。
嘔吐感や嘔吐、食欲減退等も報告されています。
「十二指腸潰瘍」とおなら
「十二指腸潰瘍」と「胃潰瘍」は、「消化性潰瘍」と呼ばれています。
「胃酸」が大きく関係しています。
「胃潰瘍」は、胃酸が少ない方に発症しやすいと言われ、「十二指腸潰瘍」は、胃酸が多い方に発症しやすいと言われています。
「十二指腸潰瘍」が胃酸に分解されてしまう病気です。
症状等も似ていますが、睡眠時や空腹時に上腹部痛が生じてしまう事が有ると言う違いが有ります。
「大腸がん」とおなら
初期症状が出る事は殆ど無いと言われいますが、初期におならがよく出る事や下腹部痛の違和感を感じ、病院受診時に発症を知る事が出来たと言う方も居られます。
他には、下血が原因で悪臭とも言える臭いがする場合や、腐敗臭に近い臭いがする場合も有ります。
腸内に悪性の腫瘍が出来てしまう事によって便が腫瘍にぶつかり、出血する事や貧血が起こる場合が有ります。
また、腫瘍が原因で腸管が狭くなってしまいますので、細い便しか出なくなったり、残便感や違和感が残る場合も有ります。
他には、体重の急激な減少や腹部膨満感、便秘と下痢が交互に起こる等の症状が起こる場合が有ります。
(参考「下腹部痛が起きた時に疑うべき病気と緊急性【必読】」)
おならがよく出る飲食物
おおまかに分けて、
●炭酸
●腸内の善玉菌
●悪玉菌の栄養になる物を摂取した時
等におならがよく出る事が多いと思います。
もちろん、炭酸や善玉菌が原因の場合は、何も心配する事は有りませんし、おならが臭いと言う事は起こり得ないです。
ただ、炭酸に含まれている成分に保存料や甘味料が大量に含まれている場合、腸内の悪玉菌の栄養になりますので、臭いおならがよく出ると思います。
特に「動物性タンパク質」が含まれている食品は注意が必要です。
肉や魚、牛乳やクリーム等の摂取量が多い時は、直接的な原因になってしまいがちです。
意外とプロテインにも沢山含まれていますので、何か新しく飲み始めたり、食べ始めた場合は、成分表示等を確認してみるのも良いと思います。
また、腸内環境を良くする為に、乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維等のサプリメントや健康食品を摂取し始めた事は、腸内細菌が異常発酵する場合が有りますので、おならがよく出る事も多いと思います。
他には、腸内環境の悪化が原因ではありませんが、「イソチオシアネート」等の「硫黄化合物」が含まれている食品を摂取した場合、明らかに臭いおならが出ます。
「イソチオシアネート」は、「アブラナ科」の野菜に含まれている成分です。
大根、カブ、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、小松菜、青梗菜、水菜、山葵等に含まれています。
それ以外には、「葱類」に、硫黄化合物が含まれていますので、青葱や白葱、玉葱やニンニク、ニラ等は、臭いが強くなり易いです。
おならがよく出る癖や習慣
●話しながら食べる
●早食い傾向が高い
●「ゴクゴク」と喉を鳴らしながら食べたり飲んだりする習慣が有る
等の習慣が有る場合、飲食物と一緒に大量の空気を取り込む癖が出来てしまっている可能性が有りますので、自然とおならがよく出ると思います。
ただ、噛む回数が少ない人に多いのですが、繊維質の多い野菜や脂身の多い肉、硬い肉等が未消化のまま腸内へと運ばれてしまう事も考えられます。
未消化の食品は、腸内で異常発酵してしまいがちです。
おならがよく出るだけでは無く、腐敗臭がする場合も有ります。
また、冷た過ぎたり、熱過ぎる飲食物を食べる場合も注意が必要です。
冷た過ぎる飲食物を摂取した場合、内臓の冷えが原因で腸の機能も低下してしまいます。
消化能力の低下が原因で未消化物が異常発酵してしまう場合が有ります。
逆に熱過ぎる飲食物を摂取した場合、無意識の内に通常よりも沢山の空気を取り込んでしまう事が多くおならがよく出る原因になってしまいがちです。
睡眠不足が習慣的になっている場合だけでは無く、夜更かしや睡眠時間がバラバラの場合も、副交感神経を上手く分泌する事が出来ませんので、消化能力が低下してしまい、通常よりもガスが出やすくなってしまいがちです。
おならがよく出る時はどうすれば良い?
人前で「おなら」をすると言うのは度胸がいると思います。
トイレで出すのが1番良いと思います。
ですが、トイレが近くに無かったり、長時間我慢する必要が出て来る場合は、出来るだけ音を出さずに出すしか無いとは思いますし、誰でも遭遇してしまうと思います。
ただ、我慢してしまった場合、腸管がガスで張ってしまい、腸管に強い力が加わってしまった状態になりますので、あまり良く有りません。
例え「おなら」であったとしても、トイレに行ってしっかり「いきむ」のと、肛門に負荷をかけて周囲に気を使いながら「いきむ」のでしたら、後者の方がしっかりと腸内のガスを出す事が出来、おならの回数自体を減らす事にも繋がります。
この時に「おなら止め薬」を服薬してしまう方が多いのですが、医師の判断で処方された場合以外は、あまりオススメする事が出来ません。
理由は後述しますが、おならがよく出る原因を改善する事には繋がりませんので、根本的な意味で原因を改善する事が出来ないからです。
おならがよく出る時におなら止め薬は良く無い
一般的に「おなら止め薬」として販売されている薬の大半は、「ジメチルポリシロキサン」と乳酸菌やビフィズス菌等を合わせた物です。
成分表示に「ジメチコン」と記載されている事が有るかも知れませんが、同じです。
この成分は、人間の消化管では代謝や吸収がされる事が有りませんので、特に身体への影響が無い事が特徴の一つだと言えると思います。
腸内におならが沢山有るように感じてしまう場合、腸内にはピューレ状の便が有り、シャボン玉の泡のように、所々にガスが存在しているような状態です。
「ジメチルポリシロキサン」は、腸内ガスの表面張力を低下させ、腸内に点在している泡を破裂させ、スムーズに肛門へと運ばれるようにする事が出来ます。
腸内に点在する小さなガスの表面張力も低下させる事が出来ますので、ガスが通過する時に小さなガスも取り込み、一つの大きな塊になって通過します。
結果的に大きなガスが排出されますので、いつまでもお腹が張って苦しい時には良いと言われています。
どちらかと言うと、おならがよく出る時よりは、お腹に大量のガスが溜まって苦しい時に向いている薬ですが、その薬効を考えても、原因を改善する事が出来ません。
自律神経や癖、飲食物や病気が原因ですので、おなら止め薬を使用したとしても、原因を改善する事は不可能です。
おなら止め薬に関しては、「お腹が張るのは病気?おなら止め薬を服薬しても駄目な理由」の記事も参考にしてみて下さい。
おならがよく出る原因の大半は「便秘」
便秘の原因は、食事内容や生活習慣、自律神経の乱れや運動不足、腸内の善玉菌不足等が大半です。
腸内の便は、殆どはピューレ状で、肛門付近の腸管内で水分が吸収されて程良い固さに調節されます。
時間の経過と共に便の水分は吸収され続けますので、長期化すればする程、便は硬くなってしまいます。
便が硬くなったとしても、硬くなった便が腸管を完全に塞ぐ事は少ないですし、腸管は柔らかく、ある程度伸縮しますので、おならを出す事が出来ます。
ですが、おならの通路は小さいので、一度で少量しか排出出来ず、回数ばかり増えてしまう場合も有ります。
それに、便秘が長期化してしまった場合、腸内に腐敗化した便が滞留したままになりますが、時間の経過と比例して悪玉菌が増殖していきます。
先程も説明させて頂きましたが、悪玉菌が増殖する事によって、
●「酪酸」
●「硫化水素」
●「二酸化硫黄」
●「二硫化炭素」
●「アンモニア」
●「ホスフィン」
●「インドール」
●「スカドール」
等のように、人体にとって有害な成分が生成されてしまいます。
これらのガスは、おならの悪臭の原因となりますし、腸管から吸収されて血液中に溶け込み、体調不良や精神的な不調、肌荒れの原因になってしまいがちです。
この時、有毒なガスが溶け込んでしまった血液や体液を濾過する為に、肝機能の大部分が使用されますので、肝機能自体が低下してしまいます。
肝機能の低下は、自律神経の乱れを引き起こしてしまう可能性が有ると言われ、腸の蠕動運動が低下してしまう原因になってしまう可能性も有り、状況は悪化してしまう一方です。
もし、便秘とおならがよく出る状況が頻繁に起きてしまい、悪臭とも言える状況でしたら、腸内の善玉菌を増やす事を優先させるのも必要だと思います。
おならがよく出る状況を腸内環境の正常化で対策
当たり前の話になってしまいますが、腸内の悪玉菌が増えてしまった事が原因でおならがよく出るのでしたら、腸内の善玉菌を増やす事によって減らす事が可能です。
一般的に腸内の善玉菌を増やす食べ物と言うと、乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維に関連する健康食品やサプリメントだと言う方が大半だと思います。
ですが、殆どの方は、期待するような効果を得る事は出来なかったと思います。
これには明確な理由が有って、乳酸菌やビフィズス菌はタンパク質から構成されていますので、胃酸で分解されてアミノ酸に変化してしまう事が大きく関係しています。
「生きて腸に届く」と言われている菌も存在しますし、乳酸菌やビフィズス菌以外にも土壌菌由来や納豆菌由来等も存在する事も確かです。
ですが、腸内環境を大きく改善するには少過ぎますので、正直な所、難しいと思います。
それに、腸内の善玉菌として数える事が出来るのは確かですが、腸内の免疫機能を調節する「パイエル板」を刺激出来るとは考えにくいです。
「パイエル板」が活性化する事によって免疫機能を向上させる事が出来ますが、「パイエル板」を刺激出来る細菌は、特定の種類です。
食物繊維にも同じ事が言え、理想的な腸内環境を維持する上で必要不可欠な事は確かですが、毎日の食事に発酵食品や大豆、根菜類や海藻類からバランス良く摂取した方が良いと思います。
腸内環境は、健康状態を知るバロメーターですので、いくら腸に良い食品やサプリメント、薬だけを摂取したとしても、なかなか思うように行きません。
自分に合った睡眠時間を確保し、ある程度はバランスを考えた食事を摂取する事、適度に運動を取り入れ、ストレスを溜め込まない事が大切です。
もし宜しければ、「下腹部痛が起きた時に疑うべき病気と緊急性【必読】」の記事も参考にしてみて下さい。
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