便秘薬が原因で、気がついたら下剤依存になる理由

便秘薬と言うと、病院で医師から必要だと判断されて処方される物から、薬局やインターネット通販等で自分で気軽に購入出来る物まで様々です。
最近では、あたかも身体に優しいと誤解してしまうようなCMや広告も有り、便秘になる度に使用していると言う方も多いのが実際です。
もちろん、どうしても便秘をどうにかしたい場合、一度限りであれば問題は無い事が多いです。
ですが、使用頻度が高い場合、腸に耐性が出来てしまう種類も有ります。
問題視されているのは、腸に耐性が出来てしまう便秘薬の種類が主流と言う事ですので、医師の処方以外で使用してしまうのは、正直、危険過ぎます。
腸に耐性が出来てしまった場合、以前よりも頑固な便秘になってしまう確率が高いです。
更に、精神的な依存や腸内の様々な機能が低下してしまう事も知っておいた方が良いと思います。
「あ〜最近便秘気味だから、便秘薬飲もう」と言う習慣が有る方は、特に注意が必要です。
皆様こんにちは。ご覧頂き感謝します。便秘解消情報局です。
病院で処方して頂ける種類、市販薬、漢方薬まで入れてしまうと、本当に沢山の種類の便秘薬が存在します。
便秘薬全体の割合から見た場合、「刺激性下剤」と「浸透圧性下剤」の2種類が主流です。
他には、膨張性下剤や浣腸、座薬等が存在します。
目次
刺激性と浸透圧性の便秘薬について
一般的に市販されている物と病院で処方して頂ける便秘薬の大半は、刺激性下剤です。
主に大腸を刺激する種類と小腸を刺激する種類が有りますが、大腸を刺激する「大腸刺激性下剤」が主流です。
大腸刺激性下剤には、
●アントラキノン系
●フェノールフタレイン系
●ジフェニルメタン化合物
が存在します。
大腸刺激性下剤は文字通り、大腸を刺激する事によって腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促し、排便させる事を目的としています。
最近では、大腸刺激性下剤を主成分としていたとしても、「身体に優しい」と記載している商品も有ります。
ですが、殆どの場合、実際に配合されている量が少ないだけで、一般的な大腸刺激性下剤と主成分は同じだったりします。
他の便秘薬と比較した場合、健康的な印象を受けてしまいがちな漢方薬であったとしても、殆どの種類に「大黄」が使用されていますので、大差有りません。
「大黄」は、「アントラキノン系」の大腸刺激性下剤と同じ成分です。
実際に配合されている量が少ないだけで、一般的な便秘薬と何ら変わりありません。
「浸透圧性」の便秘薬は、「酸化マグネシウム」が使用されている事が多いです。
酸化マグネシウムの浸透圧の働きによって、腸管内に水分を集め、軟便や下痢化させる事によって、自然に近い排便が可能です。
「刺激性」の便秘薬とは違い、腸に刺激耐性が出来にくく、身体への負担も小さい事が魅力です。
(参考「酸化マグネシウムは便秘に良くて安全?その考えは怖いです」)
「アントラキノン系」の便秘薬について
胃等の大腸以外の消化器官では分解される事は有りません。
大腸内の腸内細菌によって分解され、初めて「アントラキノン」に変化します。
腸内細菌に分解されて生成された「アントラキノン」は、腸に作用し、「蠕動運動(ぜんどううんどう)」を促します。
「センナ」「大黄」「アロエ」に含まれている事でも有名な成分です。
服薬後、6〜8時間後位に効果が発揮される事が多いです。
他には、「カッシア・コリンポサ」や「ゴールデンキャンドル(キャンドルブッシュ)又はカッシア・アラタ」等に含まれています。
問題は、
●使用頻度が高い場合、高い確率で腸に耐性が出来てしまう事
●「大腸メラノーシス」と呼ばれる腸の色素沈着が起きてしまう事
です。
当然、「大腸刺激性下剤」ですので、使用頻度が高い場合、腸に耐性が出来てしまい、同量では同じ効果を得る事が出来なくなってしまいます。
意外と見落としてしまわれがちですが、便秘薬を購入した場合、取扱説明書に継続して服薬してしまう事は危険だと言う内容が記載されている場合が殆どです。
「大腸メラノーシス」には、特に自覚症状や体調の変化等はありません。
「アントラキノン系」の便秘薬の使用を止めれば、半年から1年後位には、元の状態に戻っていると言われています。
「センナ」系の便秘薬について
大昔から便秘薬として利用されて来た歴史が有ります。
古代エジプト時代辺りにまで遡る(さかのぼる)事が出来ると言われています。
センナを使用した健康食品が度々問題になってしまうのは、葉と実の部分が「医薬品」として認められているからです。
葉と実は「医薬品」に分類されています。
健康食品として使用されているのは、センナ茎だけです。
当然、センナ茎を使用しているからと言って、身体に優しい訳ではありませんん。
使用頻度が高い場合、大腸メラノーシスや刺激耐性が出来てしまうと言われています。
センナの有効成分は、「センノシド」と呼ばれています。
腸内細菌の働きによって、「レインアンスロン」と呼ばれる「アントラキノン」系の物質に変化するのが特徴です。
「大黄」系の便秘薬について
先程のセンナと同じ「センノシド」を有効成分としています。
胃や小腸では変化する事無く、大腸内の腸内細菌に分解される事によって、「アントラキノン系」の物質に変化します。
「漢方便秘薬」の大半に使用されています。
主に病院で処方される「ビサコジル」等の便秘薬よりは、効果自体は緩やかだと言われています。
詳しくは後述させて頂きますが、大黄が含まれている漢方便秘薬の主流は、以下の通りです。
●大柴胡湯
●乙字湯
●大黄甘草湯
●桂枝芍薬大黄湯
●桃核承気湯
●潤腸湯
●防風通聖散
●麻子仁丸
●柴胡加竜骨牡蛎湯
「アロエ」系の便秘薬について
「アロエ」と言っても沢山の種類が有ります。
一般的には、「アロエベラ」「ケープアロエ」「キダチアロエ」の3種類が比較的有名だと思います。
便秘薬として利用されているのは、「アロエベラ」と「ケープアロエ」の葉皮部分です。
有効成分は、「アロイン」と呼ばれる成分です。
健康食品に使用されているアロエは、「キダチアロエ」です。
「アロエベラ」や「ケープアロエ」とは違い、商品に使用したとしても、薬事法の規制対象にはなりません。
「アロエ」が配合されている健康食品は、薬事法によって、表皮を取り除いてから使用する義務が有ります。
有効成分の「アロイン」は、アロエの独自成分です。
「バルバロイン」と呼ばれる成分を中心に構成されていて、強力な便秘解消効果が期待出来ますので、薬事法の対象になっています。
「アントラキノン系」の便秘薬ですので、腸の「蠕動運動」を調整している神経を強く刺激し、排便を促します。
医師が必要だと判断していない場合、長期的に使用してしまうと腸に耐性が出来てしまいますし、「大腸メラノーシス」が起きてしまう可能性も有ります。
今も事実だと思いますが、「便秘は万病の元」だと言われていた頃、「医者いらず」とさえ言われていた時代も有ったとさえ言われている位です。
アロエは、便秘解消効果の他に
●傷や火傷等の炎症等を和らげる効果
●肌荒れや湿疹等を和らげる効果
●胃や腸の機能を回復させる効果
等も期待出来ます。
「フェノールフタレイン系」の便秘薬について
同じ大腸刺激系下剤の「アントラキノン系」便秘薬とは違います。
小腸内で「胆汁」に分解された後、大腸に到達し、腸管粘膜を刺激することによって腸の蠕動運動を促します。
アントラキノン系の便秘薬は、大腸以外の消化器官では変化しません。
大腸内の腸内細菌によって分解され、初めて腸の蠕動運動を促すと言う違いが有ります。
科学の授業が嫌いだった方には、もう記憶に残っていないのかも知れませんが、「酸塩基指示薬」として、フェノールフタレイン溶液を使用していました。
「何となく聞いたような名前」だと感じた方も居られるかも知れません。
「発がん性」が指摘されましたので、現在では、フェノールフタレイン系の便秘薬が中止されている国が増えて来ています。
日本国内では主に、「フェノバリン」に含まれている事で有名です。
「ジフェニルメタン化合物」の便秘薬について
先程の「アントラキノン系」便秘薬は、腸内細菌に分解される事によって初めて腸に働きかける事が出来ます。
「ジフェニルメタン化合物」は、大腸内に存在する細菌が生成する「酵素」によって分解されて初めて腸に働きかける事が出来るのが特徴です。
また、「アントラキノン系」便秘薬は、腸を強く刺激する事によって排便を促すだけでした。
「ジフェニルメタン化合物」の場合、腸を刺激するだけでは無く、大腸の水分吸収率を下げる事によって、便の水分含有率を上げて排便を円滑にする事が可能と言う違いも有ります。
更に、「アントラキノン系」よりも腸への刺激が弱い事も特徴です。
ですが、腸を刺激している事には変わり有りませんので、注意が必要です。
日本国内では、
●「ビサコジル」
●「ビコスルファーナトリウム」
●「カスカラ」
●「カサントラノール」
等が有名です。
漢方便秘薬の主流と大黄に関して
先程、名称だけ触れさせて頂いた漢方便秘薬について、説明させて頂きます。
成分について軽く説明させて頂いていますが、重複する内容については省かせて頂いています。
大柴胡湯に関して
「ダイサイコトウ」と読み、比較的体力が有り、健康的な方の便秘に処方される事が多いです。
●「柴胡(サイコ)」
セリ科の植物で、解熱や解毒、鎮痛効果が期待出来ます。
●「黄芩(オウゴン)」
シソ科の植物で、解熱や解毒、利尿作用や抗アレルギー作用が期待出来ます。
●「半夏(ハンゲ)」
サトイモ科の植物で、嘔吐感を抑えたり、「痰(たん)」のつまりを抑える効果が期待出来ます。
●「枳実(キジツ)」
ミカン科の植物で、腹痛や胸部膨満感、軽い便秘や閉塞感、鎮痛効果が期待出来ます。
●「大黄(ダイオウ)」
タデ科の植物で、便秘解消効果だけでは無く、健胃等も期待出来ます。
●「芍薬(シャクヤク)」
ボタン科の植物で、収れんや緩和作用、痛みや痙攣を和らげる効果が期待出来ます。
●「生姜(ショウキョウ)」
ショウガ科の植物で、健胃や発汗、食欲増進効果が期待出来ます。
●「大棗(タイソウ)」
クロウメモドキ科の植物で、利尿作用や強壮効果だけでは無く、漢方自体の苦味を和らげて甘く飲みやすくする目的でも使用されます。
(参考「大柴胡湯が脂質代謝に良いからって飲むのは」)
乙字湯に関して
「オツジトウ」と読み、体力が普通以上有る方の便秘に処方される事が多いです。
便秘が続く場合だけでは無く、炎症が起きてしまっている「痔」にも処方される場合が有ります。
「柴胡」「黄芩」「当帰」「升麻」「大黄」「甘草」から構成されています。
●「当帰(トウキ)」
セリ科の植物で、強壮効果の他に、鎮静効果や痛みを和らげる効果が期待出来ます。
●「升麻(ショウマ)」
キンポウゲ科の植物で、発汗作用や解毒作用、解熱作用等が期待出来、口内炎や口臭改善にも処方される事が有ります。
●「甘草(カンゾウ)」
マメ科の植物で、痛みや痙攣を和らげたり、解毒や咳を和らげたりする効果が期待出来ます。
大黄の腸への負担を軽減する役割も兼ね備えています。
(参考「乙字湯の副作用は?想像しているより危険」)
大黄甘草湯に関して
「ダイオウカンゾウトウ」と読み、「大黄」と「甘草」と言う比較的シンプルな組み合わせです。
他の漢方便秘薬とは違い、比較的どのような体調の方でも処方される事が多いのが特徴です。
(参考「大黄甘草湯の効果、服用する前に知りたい事」)
桂枝芍薬大黄湯に関して
「ケイシシャクヤクダイオウトウ」と読み、比較的、体力が低下してしまっている方に処方される事が多いです。
便秘と並行してお腹の張りが辛い時に処方される事が多いです。
「桂皮」「芍薬」「大黄」「生姜」「大棗」「甘草」から構成されています。
●桂皮(ケイヒ)
クスノキ科で「シナモン」として有名です。
健胃や整腸、収れんや解熱、発汗や解毒等の効果が期待出来ます。
(参考「桂枝加芍薬湯の副作用と全成分から視た結果」)
桃核承気湯に関して
「トウカクジョウキトウ」と読み、比較的女性に処方される事が多い漢方薬です。
便秘と並行してホルモンバランスの崩れや精神的な不調等で悩んでいる時に処方され、高血圧や肥満気味の方に処方される事が多いです。
「大黄」「芒硝」「桃仁」「桂皮」「甘草」から構成されています。
●芒硝(ボウショウ)
天然の含水硫酸ナトリウムで、「浸透圧性下剤」と同じように、腸管内に水分を集め、便を柔らかくする効果が期待出来ます。
胃腸が弱い方には注意が必要で、一過性の下痢や腹痛、「むくみ」等が出てしまう場合も有ります。
●桃仁(トウニン)
バラ科の植物で、血の巡りを整える効果が期待出来、腹部が張って痛い時に使用される事も有ります。
(参考「桃核承気湯はダイエットに良い?便秘への効果」)
潤腸湯に関して
「ジュンチョウトウ」と読みます。
「コロコロ」とした水分含有率が低い便秘に処方される事が多いです。
体力的には、普通かやや低下してしまっている方に処方される場合が多く、高齢者や女性に処方される事も多いです。
「大黄」「麻子仁」「杏仁」「桃仁」「厚朴」「当帰」「地黄」「黄芩」「枳実」「甘草」から構成されています。
●麻子仁(マシニン)
クワ科の植物で、お子様やご病気をされた方、妊娠中や産後、ご高齢者様の便秘に対して処方される事が有ります。
●杏仁(キョウニン)
バラ科の植物で、痰(たん)が絡んだり、咳等で呼吸が辛かい時に処方される事が多いです。
●厚朴(コウボク)
モクレン科の植物で、健胃や抗菌、痛みや痙攣を鎮めたり、過敏になった神経や筋肉、腸の働きを抑える効果が期待出来ます。
●地黄(ジオウ)
ゴマノハグサ科の植物で、水分代謝能力が落ちて「むくみ」が酷い時、血液や体液循環が悪い時に使用される事が多いです。
(参考「潤腸湯はどのような便秘に効く?」)
防風通聖散に関して
「ボウフウツウショウサン」と読み、便秘と並行して、「ほてり」や「のぼせ」、「むくみ」や肩こりから、腎臓病や糖尿病を発症してしまっている方にも処方される事が有ります。
やや肥満気味で、健康診断等でメタボリックシンドローム、もしくは、その疑いが有ると診断された方に処方される事が多いです。
「防風」「黄芩」「大黄」「芒硝」「麻黄」「石膏」「白朮」「荊芥」「連翹」「桔梗」「山梔子」「芍薬」「当帰」「川キュウ」「薄荷」「滑石」「生姜」「甘草」から構成されています。
●防風(ボウフウ)
セリ科の植物で、風邪や頭痛、解熱や発汗、関節痛や皮膚トラブル等に使用される事が多いです。
●麻黄(マオウ)
マオウ科の植物で、咳や喘息を和らげる目的で使用されている事が多く、悪寒や汗が出ない等の症状に使用される事も有ります。
●石膏(セッコウ)
天然の含水硫酸カルシウムで、各種鎮静効果、炎症を緩和させる効果が期待出来ます。
●白朮(ビャクジュツ)
キク科の植物で、代謝機能が落ちてしまっている場合に使用される事が多く、排尿時のトラブルにも使用される事が有ります。
●荊芥(ケイガイ)
シソ科の植物で、発熱や風邪、腫れ等を治める効果が期待出来ます。
●連翹(レンギョウ)
モクセイ科の植物で、皮膚の可能を伴うトラブルや皮膚のデキモノ等に使用される事が多いです。
●桔梗(キキョウ)
キキョウ科の植物で、咳や痰が辛い時に使用される事が多いです。
●山梔子(サンシシ)
アカネ科の植物で、胸の苦しさや「黄疸(おうだん)」の治療に使用される事が有ります。
「黄疸」は、肝機能の低下によって「ピリルピン」が増加し、肌や白目が黄色く変色してしまう状態です。
●川キュウ(センキュウ)
セリ科の植物で、強壮効果や鎮静、鎮痛効果が期待出来ます。
●薄荷(ハッカ)
シソ科の植物で、非常に軽度の感染症の予防に使用される事が有ります。
●滑石(カッセキ)
天然の含水ケイ酸アルミニウム又は二酸化ケイ素で、尿トラブルや下痢、浮腫や皮膚潰瘍に使用される事が有ります。
(参考「防風通聖散の効果と危険な傾向への疑問」)
麻子仁丸に関して
「マシニンガン」と読み、「コロコロ」と硬い頑固な便に処方される事が多いです。
やや体力が低下してしまっている方や普通位の体力の方に使用される事が多いです。
「麻子仁」「杏仁」「大黄」「厚朴」「枳実」「芍薬」から構成されています。
(参考「麻子仁丸の副作用は?状況によっては危険」)
柴胡加竜骨牡蛎湯に関して
「サイコカリュウコツボレイトウ」と読みます。
便秘と言うよりは、過敏になってしまった神経を抑え、体調を整える必要が有る方に処方される事が多いです。
不眠症や高血圧、動脈硬化の方にも使用する事が有り、体力が普通よりは有る方に使用される事が多いです。
「柴胡」「竜骨」「牡蛎」「黄芩」「大黄」「半夏」「人参」「茯苓」「桂皮」「生姜」「大棗」から構成されていますが、「大黄」が含まれていない場合も有ります。
●竜骨(リュウコツ)
ゲームの素材集めみたいですが、大型哺乳類の化石を使用しています。
神経の乱れや不眠気味の時、寝汗が酷い時や下痢気味の時に使用される事が多いです。
●牡蛎(ボレイ)
海産物の牡蠣を使用していて、利尿作用や収れん作用、汗が止まらない時等に使用される事が有ります。
●人参(ニンジン)
ウコギ科の植物を使用していて、スーパー等で入手出来る人参では無く、朝鮮人参です。
整腸作用の他には、健胃や鎮痛、痰を出しやすくする等の目的で使用される事が有ります。
●茯苓(ブクリョウ)
サルノコシカケ科の菌類を使用していて、滋養や鎮静、利尿等の効果が期待出来、血糖値が高い事で悩まれている方に使用される事も有ります。
便秘薬が苦手な方には、座薬と浣腸も
座薬や浣腸に対して強い抵抗を持たれている方も多いと思います。
冷蔵保存する必要があったり、薬局等で購入する事に抵抗が有ると言う方も居られます。
ただ、一部の座薬と浣腸は、「刺激性下剤」と比較した場合、腸への負担が小さいだけでは無く、経口便秘薬とは比べ物にならない程の即効性が期待出来る事は確かです。
また、便秘薬を服薬した場合、いつまでもお腹がゴロゴロとしたり、便が緩い状態が続く事も有ると言う方も多いと思います。
ですが、一部の座薬と浣腸は、起こりにくい場合が多いと言われています。
座薬と浣腸の違い
座薬は固形で体内に入った時に体温で溶け、浣腸は液体を注入する事はご存知だと思います。
座薬は、
●「炭酸水素ナトリウム」「無水リン酸水素ナトリウム」を使用した炭酸ガスタイプ
●大腸刺激性タイプ
の座薬が主流です。
炭酸ガス系の座薬は、発生したガスの刺激によって排便を促す事が目的です。
一方、大腸刺激性の座薬の主成分は、経口便秘薬の大腸刺激性下剤と同じ「センノシド」が使用されている事も多く、大まかな仕組みも同じです。
もし、薬局等で入手出来る全ての座薬が腸への負担が少ないと思われている場合、成分表示等を確認してから購入する必要が有ります。
炭酸ガス系と刺激系の使い分けに間してですが、一般的には、ある程度は便意等を感じるにも関わらず、肛門付近で便が停滞してしまっている場合、炭酸ガス系の座薬を使用する場合が多いです。
大腸刺激系座薬の場合、同じ大腸刺激系の経口便秘薬の時と同じように、腹筋の低下や自律神経の乱れによって、腸の機能自体が低下してしまっている状況場合に使用される場合が多いです。
意外と女性よりも男性の方が抵抗が有ると言う方も多いのですが、浣腸は、「排便反射」と言う身体の機能を利用しています。
腸が弛緩してしまうような刺激も無く、自然は排便を行う事が出来ます。
身体への刺激が少ない浸透性下剤も人によっては、期待するような効果を得る事が出来無いと言う事も有ります。
その点、浣腸は出ないと言う事は起こりにくいです。
座薬の場合、人間の体温で溶けてしまいますので、どうしても、冷蔵保存が必要になります。
「ヒヤッ」とした不快感が苦手だと言う方も多いのですが、浣腸の場合、室温またはお湯で少し温める事で回避する事が出来ます。
ただ、座薬、浣腸共に、使用頻度が高過ぎる場合、「癖」が出来てしまいます。
結果的には、座薬や浣腸無しでは、上手く排便出来なくなってしまう可能性が高く、刺激性の経口便秘薬を使用している事と大差が無くなってしまいます。
結局、身体に良い便秘薬は存在しない
経口便秘薬は、刺激性下剤、浸透性下剤が主流です。
他には、座薬と浣腸が存在しています。
刺激性下剤は、大腸を刺激する事によって排便を促します。
使用頻度が高い場合、同量では効果が薄れて来てしまいます。
身体に優しいと思われてしまいがちな漢方便秘薬も、殆どの種類には「大黄」を使用していますので、刺激性下剤を摂取しているのと変わりありません。
一部の座薬には、刺激性下剤と同じ成分が含まれていますし、炭酸ガス系の座薬や浣腸は安全性と確実性は高い事は確かですが、使用頻度が高い場合、「癖」が出来てしまいます。
また、経口薬、座薬、浣腸の全てに共通して言える事は、一時的に便秘を解消出来たとしても、根本的な意味で原因を改善する事には繋がらない事です。
原因を改善出来ない限り、定期的に同じ状況を繰り返してしまう事になります。
1番大切な事は、便秘の原因を把握し、改善してあげる事です。
便秘薬は最終手段として、1度だけ使用すると言うのが理想です。
どうしても、便秘薬の大半は、何十錠と大量に入っている事が多く、精神的にも本格的な下剤依存になってしまいがちです。
使用頻度が高い場合、確実に腸は弛緩して便秘が酷くなる一方です。
ある程度はバランスを考えた食事、海藻や豆類、根菜類や繊維質の多い野菜等は、便秘体質の改善だけでは無く、健康的な身体を維持する為にも必要不可欠だと言えると思います。
また、忘れてしまいがちなのは、水分摂取量です。
1日の食事だけに含まれている水分は、約1リットル前後だと言われています。
健康的な身体を維持する為に必要な水分は、1日約3リットルだと言われています。
残り2リットル近くを意識して摂取する必要が有ります。
ただ、「とりあえず、水分を沢山摂れば良い」と言うのは、少し効率が悪いです。
排便の事を考えた場合、食事と一緒に多目の水分を摂るのが便の水分含有率を上げるポイントです。
単純にデトックス効果を上げるだけでしたら、いつ飲んでも構いませんが、お手洗いが近くなってしまいます。
注意点とまでは言いませんが、夜8時以降の場合は、排尿する時間帯が睡眠中と重なります。
塩分摂取量が高い場合、「むくみ」の原因になりますので、夜8時前が無難です。
もちろん、健康的な排便を行う為には、腸の蠕動運動をスムーズに行う事が大切です。
ある程度の腹筋や自分に合った睡眠時間の確保は必要不可欠です。
時々、下剤依存の方に対して、デトックスティーや便秘茶等を勧める方も居られますが、成分表示に「センナ」「ゴールデンキャンドル(キャンドルブッシュ)」と記載されている事が有りますので、注意が必要です。
これらの成分は、便秘薬を摂取しているのと変わり有りません。
一般的に便秘と言うと、乳酸菌やビフィズス菌のサプリメントを勧められる場合も多いと思いますが、胃酸に分解されてしまいますし、繊細な菌ですので、人間の腸内で繁殖する事は出来ません。
死滅したとしても、身体にとって有益な事は確かですが、過度の期待は禁物です。
やはり、自分に合った睡眠時間の確保、適度にバランスを考えた食事、水分摂取、適度な運動、ストレスを溜め込まない工夫をする事が1番の近道です。
もし宜しければ、「便秘で死亡する前に知っておきたい腸の話」の記事も参考にしてみて下さい。
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