「クリスマスリース」が店頭や家等に飾られるようになると、クリスマスの季節も近くなって来たように感じ、何となく楽しい気持ちになって来ると思います。

実はクリスマスリースに使用される「ツタ」や「葉」、「飾り」等にはそれぞれ意味が有り、キリスト教徒の方で無くても知ると面白いと思います。

当記事では、クリスマスリースの意味や知っておくと便利な知識について説明させて頂きます。

クリスマスリースの原点について

「古代ローマ時代」に行われた「祭事」の際、女性用の「冠」や葬儀にも幅広く使用されたのが始まりで、「健康の女神・ストレニア」から「ストレナエ」とも呼ばれていたのが「クリスマスリース」の始まりだとされています。

「クリスマスリース」と「ストレニア」は材料的な違いも有り、「クリスマスリース」は、冬でも枯れる事は無く、生命力の象徴だと言われている「常葉樹」の小枝が使用される事が多いです。

「ストレニア」は、「月桂樹(ベイリーフ)の葉」「花」「枝」「ツル」等を使用される事が多いです。

「常葉樹」は英語で「evergreen tree」と書き、農作物の「豊作」への願い等の意味も有りますので、より市民に浸透しやすかったとも言われています。

また、「常葉樹」の葉を利用すると言う事は、ある程度「理に適っている」とも言え、「常葉樹」の葉には、「殺菌」「抗菌」等の効果も期待出来ると言われています。

クリスマスリースが生まれた意味

「古代ローマ時代」とキリストの誕生を祝う「クリスマス」との関連性については、歴史に明るい方やキリスト教に興味が有る方で無いとなかなか分かり辛いと思いますので、少しだけ補足させて頂きます。

「ローマ皇帝」は当時、「キリスト教」を「国教」として認めていた歴史が有り、その時に積極的に文化交流が行われたと言われています。

その時に「古代ローマ時代」の「ストレニア」に関係する歴史や文化等もキリスト教徒に広がり、リースの「輪」が「永遠」を司る「円」のように永遠に続く「縁起が良い」物として歓迎されました。

「古代ローマ時代」の「リース」だけが「キリスト教」に取り入れられ、「クリスマスリース」が生まれたと言われています。

クリスマスリースの意味

「エタニティリング」と同じように「クリスマスリース」の「輪」には、「永遠」と言う意味が込められており、「キリスト」の命や信仰心等は永遠に続くと言う願いも有ると言われています。

現在では「クリスマスリース」を飾るのは、「魔除け」的な意味合いを残している場合が殆どで、「飾り付け」にも地域や宗教、考え方等が強く出ますので、「飾り付け」の意味を知ってから見るのも面白いと思います。

◯それぞれの葉に込められた意味

主に「常緑樹」の葉が使用されますが、「月桂樹」の葉には「私は最期まで変わりません」「栄光・栄誉」等の意味が込められています。

また、先ほども少し説明させて頂きましたが、「強い生命力」「魔除け」等の意味も込められています。

クリスマスリースだけでは無く、クリスマスケーキの飾りやベル等にも使用されている事が多い「ヒイラギの葉」は、あのトゲトゲしい形状に意味が有り、キリストが貼り付けにされた際に頭に被っていた「茨の冠」を表していると言われています。

更に、赤くて可愛らしい「ヒイラギの実」は、キリストが貼り付けにされた際に落とした「血」を連想させる実とさせ、使用されています。

ケーキに「血」を連想させる物を飾るのは少し考えさせられる所が有りますが、キリストの血と言われている「ワイン」の元となる「ぶどう」もキリスト教の中では「神に喜ばれる聖樹」として知られ、クリスマスリースに使用される事も有ります。

「ぶどう」と同じ位キリスト教と馴染み深い果物の一つが、「リンゴ」で、旧約聖書の中で「アダムとイブ」が食した事でも有名で、飾りに使用される事も多いと思います。

「リンゴ」は旧約聖書の中に出て来ただけでは無く、全体的に食料が不足してしまいがちな「厳寒期」であっても保存が効き、「お酒」にする事も出来る事から、親しまれている果物の一つです。

日本でも「リンゴが赤くなると医者が青くなる」と言う「ことわざ」が有るように、ある一定以上の栄養価も期待出来る事から、クリスマスリースにも使用されているのだと言われています。

◯豊作祈願や感謝としての飾り

「豊作」の象徴として「常葉樹」が利用される事の他には、「松ぼっくり」「麦穂」「ツル」等が使用される事も有ると思いますが、全て「農業」に関係する意味が込められていると言われています。