日本で一般的に「桜」と呼ばれている落葉樹は、「ソメイヨシノ」と呼ばれる種類で、食用に関しては、「さくらんぼ」以外にも、「花」も利用され、桜餅で有名な「葉」も有名です。

桜の木も「家具」や「工芸品」等に積極的に使用されていますし、日本とは古くから馴染みが深く、日本を象徴する植物と言われています。

日本に自生する桜は数十種類以上も存在し、果実や葉、「おしべ・めしべ」の特徴によって大まかに分類されていますが、「変異」し易い事でも有名です。

非常に沢山の種類が有る桜ですが、全ての種類が「桜餅の葉」に適しているとは言えません。

種類によっては、葉の表面に有る「毛」の舌触りが悪かったり、分厚かったり、固かったりしてしまいます。

特に自宅で桜の葉を塩漬けにして桜餅を手作りされる場合は、桜の種類が知りたいと思います。

桜餅の葉に使用される種類

桜餅に使用される桜の葉の大半は、「オオシマザクラ」と呼ばれる伊豆半島南部で積極的に栽培されている種類の使用が多いです。

この種類が食用に好んで使用される理由は、塩漬けにした時の「葉の柔らかさ」と「香り」が他の種類とは違うからだと言われています。

どの種類の桜の葉にも「クマリン」と呼ばれる芳香成分が、「糖」と結合した「クマリン配糖体」として存在し、他の木々の葉と同じような香りしかしません。

塩漬けや乾燥された場合にのみ、「クマリン配糖体」が芳香成分の「クマリン」に変化します。

「クマリン」は桜の葉の香りを左右する大きな要素ですが、他の芳香成分も関係していて、「オオシマザクラ」は香り自体が他の種類よりも桜餅に適していると言われています。

近所の桜の葉は桜餅に使用出来る?

桜餅に使用される桜の葉は「オオシマザクラ」が大半ですが、他の種類の桜であったとしても、個人で塩漬けに楽しんだり、違う事を理解した頂いた上で提供するのであれば問題は無いと思います。

一般的に「桜」として存在する種類に関しては、常識の範囲内での摂取量であれば健康上問題は有りません。

ですが、桜の名所等で有名な観光地に関しては、何らかの「防虫対策」等が行われている可能性が有り、個人的には、食用にする事に適してはいないと思います。

食用を前提とした防虫剤や防腐剤であれば、適切な対処をする事によって食用にする事は理論上可能かも知れませんが、観光地等の桜の葉は食用を前提とされていませんので、どの種類に関しても食用するべきでは無いと思います。

気になるようでしたら、その桜を管理して頂いている方に質問してみるのが確実です。

【桜餅】道明寺との違いは?材料と歴史的背景」の記事も参考にしてみて下さい。