「目黒のさんま祭り」の由来は「落語」で、「目黒のSUNまつり」も由来は同じですが、「さんま祭り」は「岩手県宮古産さんま」を使用し、「SUNまつり」は「宮城県気仙沼産さんま」を使用すると言う違いも有ります。

当記事では、「目黒のさんま祭り」の由来と元になった古典落語「目黒のさんま」について説明させて頂きます。

目黒のさんま祭りの由来について

古典落語に「目黒のさんま」と言う落語が有り、「無造作」に調理した「さんま」の味は美味く、逆に「丁寧」に調理した「さんま」の味は不味かったと言う「秋」に好んで使用される事が多い「噺(はなし)」の一つです。

古典落語の「目黒のさんま」

当時、「さんま」は大漁に採れ、大衆的な魚と言う位置づけで、身分と高い方には好まれませんでした。

ある日、殿様御一行様が遠くまで出かけられていた時、お付の人がお弁当を忘れてしまうと言うミスを犯してしまいます。

当然、殿様御一行様は空腹になりますが、その時に「この世の物とは思えない位美味しそうな香り」が漂って来ました。

それが、現在の「目黒」周辺だと言われています。

殿様は、お付の人に何の香りか質問すると、お付の人は「さんま」を焼く時に発せられた香りだと答えると同時に、殿様には大衆的な「さんま」はお口には合いませんとも答えました。

殿様は、このような空腹時に大衆的かどうかは関係が無いと話し、その香りがする「単純に炭火焼きにしただけのさんま(隠亡焼き)」を持って来させ、食しました。

この「さんま隠亡焼き」を食べた後、殿様にとって「さんま」は「至高の逸品」になり、定期的にさんまを所望します。

しかし、さんまは小骨が多く、特に旬の秋は脂が多いので、殿様に提供する場合、小骨を取り除き、脂は落とし切った状態で提供されました。

もちろん、殿様には大衆魚である「さんま」の知識は有りませんので、「さんまらしさ」が失われてしまったさんまは、「目黒」のさんまでは無いから美味しく無いと思い込んでしまいます。

そして、「さんまらしさ」が失われたさんまを提供したお付の人に「どこ産」のさんまか質問した際、「さんまは目黒に限る」と言ってしまいます。

実は、目黒のさんま祭りが開催されている「目黒区」には海は有りませんので、「さんま」は摂れません。

ですが、殿様は海の近くで無いからこそ「さんま」は、あのように美味くなったと信じて疑わなかったと言う話で、「世間知らずな殿様の言動を笑う話」です。