桜餅は全国各地で形状や使用する材料等に違いが有り、関東と関西でも大きな違いが有ります。

全国的に見ると「桜餅」で十分通りますが、関東では「長命寺桜餅(ちょうめいじさくらもち)」、関西では「道明寺桜餅(どうみょうじさくらもち)」と言う名称で呼び、材料的な違いで区別している場合も有ります。

道明寺桜餅の違い

道明寺桜餅は、「道明寺粉」と呼ばれる「餅米」を蒸した後に乾燥させ、餅米の粒が残るように荒くつぶした粉状の物を使用して作る事が多く、小豆等の「あん」を完全に包み込んで「まんじゅう状」に整形し、塩漬けした桜の葉で包んでいます。

関西ではこちらの桜餅が一般的で、関東の「長命寺桜餅」とは違い、比較的「小さな桜の葉」を選び、「つぶあん」を使用する事が多い等の違いも有ります。

長命寺桜もちの違い

長命寺桜餅は、「長命寺」と呼ばれる「小麦粉」「砂糖」「白玉粉」「水」等を混ぜ合わせた「生地」を円形に焼き、小豆等の「あん」を「巻いた」状態に整形し、塩漬けした桜の葉で包んでいますので、「あん」は見える状態です。

桜の葉は道明寺桜餅と比較すると、「大きな桜の葉」を選び、「こしあん」を使用する事が多い等の違いも有ります。

桜餅誕生の違い

道明寺桜餅の「道明寺」は、元々は関西の「大阪府藤井寺市」に有る「道明寺天満宮」と言うお寺の名称です。

当時は「干し飯(ほしいい)」と呼ばれる保存食も「道明寺」と呼ばれる事も有り、長期に渡る「戦(いくさ)」に携帯食として利用される事が多かったとされています。

「道明寺粉」は、今で言う「非常食」「備蓄食」「携帯食」に近く、水やお湯ですぐに食べられる状態に出来、広く利用されて来ました。

それが料理だけでは無く、和菓子でも有名な「京」で現在の「道明寺桜餅」の形になったと言われています。

一方、長命寺桜餅の「長命寺」は、元々は関東の「東京都墨田区」に有る「長命寺」と言うお寺の名称で、滋賀県近江八幡に有る「長命寺」とは違います。

当時、門番の「山本新六」が門周辺に積もる「桜の葉」の処理について悩んだ時に「塩漬け」を行い、現在の「長命寺桜餅」を考案したと言われています。

現在でも東京都墨田区向島には、「向島長命寺桜もち」と言う「山本新六」が残した桜餅屋さんが残っていて、製法や味等も変える事無く、当時の「長命寺桜餅」の味を楽しむ事が出来ます。

桜餅の葉っぱは食べるのが正解?成分的な話」の記事も参考にしてみて下さい。