桜餅は「ひな祭り」に提供される事の多い和菓子で、大きく分けると関東と関西で異なり、その他にも地方によって異なる物が存在しますが、目的や意味等は概ね同じです。

春の季語にもなっている通り、塩漬けした「桜の葉」を使用している事が特徴です。

最近では、ビニール製の葉っぱで包まれた桜餅も販売されている場合も有り、「本来は食べるべき物では無いのでは?」と疑問に思われた事が有るかも知れません。

葉っぱは食べる?食べない?

基本的に桜餅の葉っぱは「塩漬けされた葉っぱ」でしか有りませんので、食べるのが正しい、食べるのは間違いと言う事は有りません。

ただ、物理的に無理だとは思いますが、桜の葉っぱのみを何キロも摂取した場合は、桜の葉っぱに含まれている「クマリン」が身体に影響を与えてしまうかも知れないとは言われています。

葉っぱに含まれているクマリンについて

クマリンは多くの植物に含まれている香り成分で、「ポリフェノール」に属します。

生の桜の葉っぱからは桜の香りがしない理由は、葉っぱに含まれているクマリンが「クマリン配糖体」と言う「糖」と結合した状態だからです。

「クマリン配糖体」は、干したり塩漬けにする事によって、桜の香りの成分の一つである「クマリン」に変化します。

このクマリンは普通に摂取する範囲であれば、「血液サラサラ効果」や「むくみ取り」、「アンチエイジング効果」等が期待出来ます。

ですが、常識の範囲を超えて摂取してしまった場合、肝臓に悪影響を及ぼす可能性が有ると指摘されていますが、普通に桜餅を食べる範囲であれば問題は有りません。

桜餅の「葉っぱ」の目的

桜餅に塩漬けした桜の葉っぱを使用する目的は、季節を感じさせる外観的な意味だけでは無く、「香り」「保存」「食べやすさ」だと言われています。

当たり前の話になってしまいますが、塩漬けされた桜の葉っぱには桜の香りが有りますので、餅を包む事によって餅へと香りを移す事が可能です。

保存に関しては、餅は乾燥し易いので、ある程度は乾燥を防ぐ事が出来、「塩」「クマリン」の抗菌効果によって雑菌やカビ等の繁殖を抑えると言った保存目的も有ると言われています。

特に桜の葉っぱは、他の種類の葉っぱよりも繊細ですので、食べる事も簡単ですが、同時に「劣化し易い」のが特徴です。

また、葉っぱを使用していますので、気軽に手で取って食べられる「食べやすさ」も有ると言われています。

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